ビットコインキャッシュって何?
「ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)」は、簡単に言うと「ビットコインから生まれた別の暗号資産」です。ビットコイン(BTC)を知っている人も多いと思いますが、このビットコインキャッシュ(BCH)は、2017年にビットコインが分裂して生まれました。なぜ分裂したかというと、ビットコインが抱えていた「取引速度の遅さ」と「手数料の高さ」を改善しようとしたからなんです。
なぜ生まれたのか?
元々ビットコインは「1つのブロックに1MBまでしかデータを入れられない」というルールがありました。これが原因で、取引が混雑すると遅くなったり、手数料が高くなったりしていたんです。そこで、「もっと大きなブロックにしたら解決するんじゃない?」という考えからビットコインキャッシュが誕生しました。ビットコインキャッシュのブロックサイズは最初から8MBに拡大され、その後さらに32MBに増やされています。
ビットコインキャッシュ(BCH)の特徴
1.取引速度が速い
ビットコインに比べて、1つのブロックにたくさんの取引データを入れられるので、処理速度が速くなるというメリットがあります。これが実際に役立つのは、特に混雑が多いとき。例えば、ビットコインの取引が10分以上かかる場合でも、ビットコインキャッシュなら数分で終わることが多いんです。
2.手数料が安い
ビットコインは1回の取引で数百円~千円の手数料がかかることがありますが、ビットコインキャッシュだと数十円~100円以下で済むこともあります。お財布に優しいですよね。
ビットコインキャッシュの強み
1:取引速度の速さ
ビットコインキャッシュは、取引速度が速いことが大きなメリットです。どうして速いのかというと、「ブロックサイズ」が関係しています。
・ビットコインのブロックサイズ:1MB
・ビットコインキャッシュのブロックサイズ:最初は8MB、現在は32MB
ブロックサイズが大きいと、1つの取引データを処理する際に、より多くのデータをまとめて送れるんです。その結果、ネットワークが混雑しても、取引がスムーズに処理されやすくなります。例えば、ビットコインだと10分以上かかることが多いですが、ビットコインキャッシュなら数分程度で済むことが一般的です。
2:手数料の安さ
ビットコインキャッシュは、手数料がとても安いです。これもブロックサイズが大きいおかげで、ネットワークの混雑が少ないからです。たとえば、ビットコインの送金手数料が500円~1000円程度かかる場合でも、ビットコインキャッシュなら数円から数十円程度で済むことがあります。
これは特に、小額の支払いをする場合に役立ちます。たとえば1000円のオンライン支払いをしたいときに、手数料が500円もかかるのはもったいないですが、ビットコインキャッシュなら低コストで済むので便利なんです。
3:拡張性と実用性
ビットコインキャッシュは、より多くの人に使いやすく設計されています。これを「拡張性」と呼びますが、具体的には以下の場面で強みを発揮します。
1.海外送金
銀行を通すと数千円かかる送金も、ビットコインキャッシュなら数十円で済む場合があります。たとえば、新興国にいる家族にお金を送る際に便利です。
2.日常の小額決済
ビットコインはその価値が高すぎて、コーヒー1杯を買うには向いていませんが、ビットコインキャッシュは価格が手ごろで使いやすいんです。2024年11月現在、1BCHの価格は約3万円。ビットコイン(450万円以上)と比べると、かなり使いやすいですよね。
4:スケーラビリティ(取引の拡大対応力)
ビットコインが1秒間に処理できる取引数は7件程度ですが、ビットコインキャッシュはその10倍以上と言われています。これなら、将来的にユーザーが増えても安心です。
ビットコインキャッシュ(BCH)の課題
課題1:競争が激しい
暗号資産の世界では、競争相手がたくさんいます。例えば、ビットコインやイーサリアムはもちろん、最近はソラナ(Solana)やライトコイン(Litecoin)なども注目されています。その中でビットコインキャッシュがどれくらい使われているかというと、正直、ビットコインに比べて影が薄いです。
2024年11月現在、BCHの時価総額は約70億ドル(約1兆円)ですが、ビットコインは約9,000億ドル(約135兆円)と圧倒的な差があります。この数字を見ただけでも、「BCHはビットコインに負けている」感じがしますよね。
課題2:実際の利用が少ない
ビットコインキャッシュは「決済用に便利!」と言われていますが、実際に使われているかというと、まだまだ少ないです。例えば、店舗やオンラインショップでBCHが使える場所は限られていますし、普段の買い物で使っている人も少ないんです。
ある調査によると、2023年時点でBCHを使った取引量は、暗号資産全体の取引量の1%以下と言われています。つまり、「便利でも使う人が少ない」という現状が課題なんです。
課題3:価格の不安定さ
暗号資産全般に言えることですが、BCHも価格が安定していません。たとえば、2017年に登場したときは1BCHが約30万円でしたが、その後急落し、2024年11月現在は約3万円。価格の変動が大きいと、安心して使えないですよね。
特に、BCHを実用化しようとする企業にとっては、「価格がすぐに変わる通貨はリスクが高い」と判断されることも課題です。
課題4:セキュリティのリスク
ビットコインキャッシュは、51%攻撃のリスクが他の通貨より高いと言われています。簡単に言うと、ネットワークの過半数を悪意あるグループが支配すると、不正な取引ができる可能性があるんです。BCHのネットワークは、ビットコインに比べて小規模なので、こうした攻撃が現実的な問題になりやすいんです。
課題5:コミュニティの分裂
ビットコインキャッシュは、元々ビットコインの開発者コミュニティの意見が分かれて生まれた通貨です。しかし、BCHのコミュニティ内でも分裂が起きています。例えば、2020年には「ビットコインキャッシュABC(BCHA)」という新しい通貨が分裂して生まれました。こうした対立が続くと、ユーザーや投資家の信頼が下がる原因になりかねません。
ビットコインキャッシュ(BCH)の価格予想
シナリオ1:価格上昇のパターン
もしビットコインキャッシュが「使いやすさ」や「決済の便利さ」を武器に普及したら、価格は大きく上がる可能性があります。例えば、以下のようなケースが考えられます。
・採用率の向上:BCHを使う企業や店舗が増えた場合、需要が上がり価格も上がります。
・技術的な改善:ネットワークのスピードや安全性がさらに向上すれば、投資家の注目を集めるでしょう。
具体的には、暗号資産全体の市場が拡大し、BCHが現在の3倍ほど普及した場合、価格が1BCH=10万円を超える可能性もあります。実際、2017年末のバブル期には、BCHが一時的に40万円を超えたこともあるんです。
シナリオ2:横ばいのパターン
一方で、BCHが今と同じくらいの利用率を保ちながら、暗号資産全体の市場が停滞した場合、価格は大きく動かないかもしれません。この場合、1BCH=3万~5万円くらいのレンジで推移する可能性があります。
暗号資産の市場はボラティリティ(価格の変動)が高いので、安定している状態も少しリスクはありますが、普段の株式市場と比べるとそれなりに投資価値があるとも言えます。
シナリオ3:価格低迷のパターン
逆に、BCHの技術やサービスが他の暗号資産に追いつかず、利用が減った場合は、価格が下がるリスクもあります。例えば、
・競争の激化:イーサリアムやソラナといった他のプロジェクトにシェアを奪われる。
・規制の影響:特定の国で暗号資産への規制が強化される。
この場合、1BCH=1万円以下に落ちる可能性も。実際、2020年頃は一時的に1万円台に落ち込んだこともあります。
専門家の予想は?
具体的な予想数値として、暗号資産関連のアナリストたちは次のような予測を出しています:
・強気予測:2025年までに10万円超え
・弱気予測:2万円以下で停滞
結論
暗号資産全体の市場が大きく成長するなら、ビットコインキャッシュのような決済型の通貨にもチャンスはあります。ただし、投資する際はリスクをしっかり理解しておくことが大事です。100万円を投資するなら「このお金がゼロになっても大丈夫!」という覚悟が必要です。
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