『株で勝つ 上がる銘柄選びの考え方』を学んだ結果(要約)
「株で成功したければ、プロの真似をするな!」
こんな逆説的なメッセージを投げかけたのは、先ほどご紹介した『ピーター・リンチの株で勝つ』の著者であり、伝説のファンドマネージャー、ピーター・リンチです。彼の二冊目の著書『株で勝つ 上がる銘柄選びの考え方 (Beating the Street)』は、そんな彼の哲学をさらに深掘りし、具体的な銘柄選びのヒントと、ポートフォリオ(資産の組み合わせ)の考え方を教えてくれる、超実践的な一冊なんです。
前作で「身近な企業に投資しよう」という話はしましたが、じゃあ具体的にどんな会社がいいの?どうやって調べればいいの?プロの株の選び方ってどんな感じ?そんな疑問を抱いたあなたに、この本はまさにピッタリ!リンチが実際に「株で勝つ」ために使っていた思考プロセスや、彼がどうやってお宝銘柄を発掘してきたのかが、ものすごく分かりやすく書かれています。
今回は、高校生の皆さんにもバッチリ伝わるように、この『株で勝つ 上がる銘柄選びの考え方』の核心を、フランクに、分かりやすく解説していきます。これを読めば、あなたの「銘柄を見る目」が、ワンランクアップするはずですよ!
1. 「地味な企業」こそお宝?リンチ流、意外な銘柄探し
多くの人は、投資と聞くと、話題のIT企業とか、最先端の技術を持つ会社にばかり目がいきがちですよね。でも、ピーター・リンチは、ちょっと違った視点を持っていました。彼は、**「地味で退屈な企業」**の中にこそ、大きなチャンスが隠されていることが多い、と教えてくれます。
なぜ地味な企業が狙い目なのでしょうか?
- 注目度が低いから割安: みんなが知っている有名企業は、多くの投資家がすでに株を買っているので、株価が高くなりがちです。でも、地味な会社は、誰も注目していないので、本来の価値よりも株価が安く放置されていることが多いんです。これが「お宝」になる可能性を秘めているんです。
- 競争が少ない: 派手な業界は、競合もたくさんいて、生き残るのが大変です。でも、地味な業界は、新規参入も少なく、安定して利益を上げやすい傾向があります。
- 理解しやすいビジネス: 地味な企業のビジネスは、意外とシンプルで理解しやすいことが多いです。複雑なビジネスより、自分がしっかり理解できる会社に投資するのが、リンチの鉄則でしたよね。
例えば、彼の有名な投資先には、公害対策機器の会社や、葬儀サービス会社、配管部品メーカーなんていう、一見すると「え?そんな会社に?」と思うような企業がありました。でも、彼らはみんな、着実に利益を増やし、株価も大きく成長していったんです。
あなたの周りにも、もしかしたら「みんなが使ってるけど、あんまり話題にならない地味な商品」や「なくてはならないけど、目立たないサービス」を提供している会社があるかもしれませんよ。そんな会社こそ、リンチが言う「掘り出し物」の候補かもしれませんね。
2. 「ウォール街のアナリストの落とし穴」を知る
ピーター・リンチは、ウォール街のプロのアナリストたちに対して、かなり手厳しい意見を持っています。彼は、「私たち個人投資家が、プロよりも有利な立場にいる」と何度も強調していますよね。その理由の一つが、**プロのアナリストたちが陥りがちな「落とし穴」**なんです。
どんな落とし穴があるのでしょうか?
- 人気銘柄に集中しがち: アナリストは、多くの投資家が注目している有名企業や、流行りのテクノロジー企業ばかりを分析しがちです。なぜなら、その方がレポートの需要が高く、注目を集めやすいからです。でも、リンチが言うように、お宝は「地味な会社」に隠れていることが多いんですよね。
- 群集心理に流される: プロといえども、人間です。市場が熱狂しているときは強気になり、パニックになっているときは弱気になりがちです。リンチは、プロでさえも、周りの意見や市場の感情に引きずられて、冷静な判断ができないことがある、と指摘します。
- 情報が遅い: アナリストのレポートが出る頃には、もうその情報は株価に織り込まれてしまっていることがほとんどです。私たちは、日々の生活の中で、新しいトレンドや商品のヒットをプロより早く察知できる可能性があります。
- 企業訪問の限界: アナリストは企業を訪問して情報を得ますが、企業側も悪い情報は隠したがります。リンチは、個人投資家が実際に商品を使ってみたり、お店の様子を見に行ったりする「足を使った調査」の方が、生きた情報が得られることもある、と教えてくれます。
リンチは、プロのレポートを鵜呑みにせず、自分の頭で考え、自分の足で情報を集めることこそが、個人投資家がプロに勝つためのカギだと力説しています。
3. 「完璧な会社」なんてない!問題のある会社にも注目?
投資を始めると、「完璧な会社」を探したくなりますよね?でも、ピーター・リンチは「そんな会社は存在しない」と言い切ります。そして、完璧じゃないからこそ、チャンスがあるんだ、と。
彼は、一見すると**「何か問題がありそう」に見える会社**にも、目を向けることの重要性を説きます。
例えば、
- ひどい名前の会社: 「ABC工業」とか「XX商事」みたいな、パッとしない社名の会社。
- 退屈なビジネス: 「ネジを作ってる会社」とか「段ボールを作ってる会社」とか、誰もが面白くないと思うようなビジネス。
- 不況に強いけれど、誰も買わない会社: 景気が悪くても安定しているのに、成長が見込めないからと見向きもされない会社。
- プロが毛嫌いする会社: 投資銀行やアナリストが「こんな会社、誰も買わないよ」とバカにするような会社。
なぜこんな会社が狙い目なのでしょうか?
それは、まさに**「誰も注目していない」から**です。みんなが見向きもしないからこそ、本来の価値よりも株価が安く放置されている可能性が高いんです。
リンチは、こうした「問題のある会社」や「注目されない会社」の中に、隠れた優良企業や、業績が回復する可能性を秘めた企業が埋もれていることを見抜く天才でした。
もちろん、本当に問題がある会社は避けるべきですが、「一見すると地味だけど、よく見たらすごい」という会社を見つけるためには、先入観を捨てて、色々な会社に目を向けることが大切だ、と教えてくれます。
4. あなただけのポートフォリオを作ろう!
ピーター・リンチは、個人投資家がどうやって株を選ぶかだけでなく、**「どうやって自分のポートフォリオ(持っている株の組み合わせ)を管理するか」**についても、実践的なアドバイスをくれます。
彼は、「ポートフォリオは植物園のようなものだ」というユニークな例えをします。
- 雑草を抜く: 伸び悩んでいる株や、投資した理由が崩れてしまった株は、思い切って売ってしまいましょう。これが「雑草を抜く」こと。
- 花に水をやる: 逆に、成長している良い株には、もっと投資してあげましょう。これが「花に水をやる」こと。
多くの投資家は、損をしている株をいつまでも持ち続け、少し利益が出た株はすぐに売ってしまいます。でも、これだと「雑草を育てて、花を摘み取っている」ことになってしまい、なかなか資産は増えません。
リンチは、良い株は長く持ち続けることの重要性を強調します。そして、定期的に自分のポートフォリオを見直し、投資した理由がまだ有効か、その企業の状況はどうなっているかを確認することが大切だと教えてくれます。
ポートフォリオは、一度作ったら終わりではありません。まるで生き物のように、あなたの成長や市場の変化に合わせて、少しずつ手入れをしていく必要があるんですね。
5. 株で勝つための「心構え」と「落とし穴」
『株で勝つ 上がる銘柄選びの考え方』では、ピーター・リンチが実際に投資家たちと交流したエピソードや、彼自身の失敗談も交えながら、成功するための「心構え」と、陥りがちな「落とし穴」を教えてくれます。
成功する投資家の心構え
- 忍耐力: 株価は常に変動します。良い株を見つけても、すぐに結果が出なくても焦らないこと。長期的な視点を持つことが重要です。
- 自信: 自分の分析と判断を信じ、他人の意見や市場のノイズに惑わされないこと。
- 学習意欲: 常に新しい情報を学び、自分の知識をアップデートしていくこと。
- 客観性: 自分の買った株に感情移入しすぎず、客観的に状況を判断すること。
陥りがちな落とし穴
- 「次は大化けするぞ!」と思い込む: 損をしている株を、根拠なく持ち続けてしまう。
- 「有名だから安心」と考える: 有名な大企業でも、ビジネスモデルが時代遅れになることもあります。
- 「これは特別な情報だ!」と飛びつく: 内部情報や噂話に惑わされてはいけません。
- 「高配当だから良い株だ」と決めつける: 高配当でも、会社が借金まみれだったり、成長が見込めなかったりすることもあります。
- 「株価が下がったら買う」というナンピン買いの罠: 企業の価値が本当に下がっているのに、安易に買い増すのは危険です。
リンチは、投資は決して難解なものではなく、正しい知識と心構えがあれば、私たち個人投資家でも十分「株で勝つ」ことができる、という希望を与えてくれます。
『株で勝つ 上がる銘柄選びの考え方』から学ぶ、今日からできること
ピーター・リンチのこの本は、株選びの「実践編」として、非常に具体的なヒントを与えてくれます。
- 自分の「得意分野」を見つける: 自分が興味を持てる業界や、普段から接しているサービスの中から、投資対象を探す。
- 「地味な会社」に目を向ける: みんなが気づかない隠れたお宝を見つけ出す視点を持つ。
- アナリストの意見を鵜呑みにしない: 自分の頭で考え、自分の足で情報を集める。
- ポートフォリオを管理する: 良い株は持ち続け、ダメな株は潔く手放す勇気を持つ。
- 感情に流されない: 成功するためのメンタルコントロールを意識する。
この本を読めば、あなたはきっと「自分にも株で勝てるチャンスがある!」と感じるはずです。ぜひ、今日からリンチ流の銘柄探しにチャレンジしてみませんか。
コメント